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【AIと向き合う⑤】AIは、自信満々に間違える
―「鵜呑みにしない」という習慣―

2026/06/23 14:00:56  コラム
AIに質問をすると、たいてい、すらすらと答えが返ってきます。
言い回しもなめらかで、自信にあふれている。
その堂々とした様子に、つい「そうなんだ」と信じてしまいそうになります。

けれど、ここに、ひとつ気をつけたいことがあります。

AIは、間違えることがあります。
しかも、間違っているときも、正しいときと同じ口調で答えるのです。

<正しい顔をした、まちがい>

たとえば、ある手当が社会保険の対象になるかどうか。
ある制度の、細かい要件。
こうしたことをAIに尋ねると、もっともらしい答えが返ってきます。

でも、よく見ると、少し古い情報だったり、似て非なる制度と混ざっていたり、条文の言葉がほんの少しずれていたりすることがあります。

社労士として日々この分野にいると、「ここは確認が必要だ」と気づけることがあります。
けれど、その分野を知らない人には、見分けがつきません。
なめらかで、自信のある文章ほど、かえって「正しそう」に見えてしまうのです。

<なぜ、労務では特に怖いのか>

労務の答えは、人のお金や生活に直結します。
給与、手当、社会保険、解雇、年金。
どれも、間違った理解のまま処理してしまうと、あとになって大きな問題になりかねません。

しかも、困っている人ほど、早く答えがほしいものです。
だからこそ、AIのなめらかな答えに、飛びつきたくなる。
その気持ちは、よく分かります。

でも、急いでいるときほど、いったん立ち止まりたいのです。

<疑うのではなく、確かめる>

私がおすすめしたいのは、AIを疑うことではありません。
AIの答えを「たたき台」として受け取るという姿勢です。

返ってきた答えに対して、こう問い直してみる。
「本当に、そうだろうか」
「これは、いつの時点の情報だろうか」
「どの根拠にもとづいているのだろうか」


そして、人の生活がかかった大事な判断は、最後に、根拠資料や専門家に戻って確かめる。
AIに全部をゆだねるのではなく、AIと一緒に考えて、決めるのは人。
この順番を、忘れないようにしたいのです。

<AIの答えを仕事で使う前に、確認したいこと>

AIの答えを仕事で使う前に、最低限、ここだけは確認したいものです。

1. その情報は、いつ時点のものか
2. 法令・通達・公的資料など、根拠が確認できるか
3. 似た制度と混同していないか
4. 自社の就業規則・雇用契約・実態に合っているか
5. 人のお金・生活・処遇に影響する判断ではないか


最後の5つ目に当てはまるときは、AIの答えだけで決めない
専門家や、根拠となる資料に戻る。
このひと手間が、後の大きなトラブルを防ぐことにつながります。

<AIと、上手につき合うために>

前回、私は「AIの言葉を、そのまま借りない」と書きました。
今回の「鵜呑みにしない」も、根っこは同じです。

AIは、とても賢い相談相手です。
たくさんのことを、すばやく整理してくれます。
けれど、最終的な責任は、いつも人の側にあります

鵜呑みにしないことは、AIを遠ざけることではありません。
むしろ、AIの得意なことと、苦手なことを知って、上手につき合うこと。
それが、これからの時代に、AIを道具として使いこなすということなのだと思います。
社会保険労務士法人 JOY
代表 松村真奈美
保有資格
社会保険労務士
専門分野
人に関する様々な悩みの解決
経歴
静岡県出身。大学卒業後、専門商社や大手ウェルネス関連メーカーで勤務し、出産退職。 平成17年に社労士試験に合格。広島で大手通信企業に勤務し、新人研修、スタッフ労務管理、 採用業務などを経た後、営業部門へ異動。自社ソフト販売コンテストで全国1位を獲得。 法人営業を通じて経営者やスタッフの悩みに寄り添い、独立を決意。令和元年7月1日に まつむら社会保険労務士事務所を開設。人事や営業の経験を活かし、多くの人が活躍できる フィールドを創り、企業の成長を支えるために毎日奔走中。
一言
超えられない課題は与えられない。必ず乗り越えられるからこそ課題はやってくるのだと 私は信じています。もしよろしければ、課題を超えたその先の景色を私と一緒に見てみませんか?
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