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なぜ日本の職場は「まともに休めない」のか──ズレた“頑張り”が企業を蝕む

2025/10/25  コラム
かつて日本人は「働き者」として世界から尊敬を集めた。だが今、その美徳が、自らの心身を蝕み、組織の活力すら奪いかねない危険因子になっているのではないか──。

パーソル総合研究所が実施した「はたらく人の休憩に関する定量調査」は、日本の職場に潜む“静かな危機"を、静かに、しかし明確に可視化した。
この調査結果は、私たちが見過ごしてきた「休憩」というテーマに、新たな光を当てている。
パーソル総合研究所「はたらく人の休憩に関する定量調査」 https://rc.persol-group.co.jp/news/202501301000.html

注目すべきは、「休憩時間が長いほど、業務への集中力が高まる」という、極めてシンプルで本質的な事実だ。さらに、実際に休めていると実感している人ほど、生産性を落とすプレゼンティズム(心身不調による出勤低効率)が低い──。ここには、日本社会がずっと否定し続けてきた“当たり前"がある。

だが問題は、「休憩時間の長短」だけにとどまらない。
「誰がその休憩を許容しているか」「職場の空気が休憩を歓迎しているか」が、生産性に深く関係しているというのだ。
上司や同僚が黙認するのではなく、快く承認する職場こそが、心身を回復させる真の休息を生む。これは、単なる福利厚生の話ではない。「生産性向上の鍵」であり、「人材戦略の核心」なのだ。

そして、もう一つ私たちが直視すべき現実がある。
従業員は、自分なりに「頑張っている」と思っている。だが、その頑張りが、企業が求める方向性と必ずしも一致していないことが少なくない。

休憩も取らず、疲労を溜めながら遅くまで残る姿を「頑張っている」と錯覚していないか。
それは、真のパフォーマンスに結びついているのか──。
実は企業が求めているのは「回復し、集中し、成果を出す」働き方であるはずだ。にもかかわらず、その前提となる「質の高い休憩」の価値が、いまだに正しく理解されていない。

今回の調査では、休憩の取り方も6タイプに分類された。最も「休めている」と実感したのは、身体を動かしたり自己啓発に励む「自己投資タイプ」。同僚と交流する「会話・食事タイプ」も、生産性低下リスクが低いという。
つまり、ただ時間を与えるだけではない。「休み方の質」が、成果を左右するのだ。

企業は今こそ、従業員の“頑張り方"を問い直すべきだ。
そして、正しい方向に導くべきだ。
長く働くこと、休まず働くことが“美徳"だった時代は終わった。
今、求められているのは、「戦略的に休む力」なのだ。

頑張る方向性を、間違えてはいけない。
働き方の質、そして休み方の質が、これからの企業の競争力を決める。
社会保険労務士法人 JOY
代表 松村真奈美
保有資格
社会保険労務士
専門分野
人に関する様々な悩みの解決
経歴
静岡県出身。大学卒業後、専門商社や大手ウェルネス関連メーカーで勤務し、出産退職。 平成17年に社労士試験に合格。広島で大手通信企業に勤務し、新人研修、スタッフ労務管理、 採用業務などを経た後、営業部門へ異動。自社ソフト販売コンテストで全国1位を獲得。 法人営業を通じて経営者やスタッフの悩みに寄り添い、独立を決意。令和元年7月1日に まつむら社会保険労務士事務所を開設。人事や営業の経験を活かし、多くの人が活躍できる フィールドを創り、企業の成長を支えるために毎日奔走中。
一言
超えられない課題は与えられない。必ず乗り越えられるからこそ課題はやってくるのだと 私は信じています。もしよろしければ、課題を超えたその先の景色を私と一緒に見てみませんか?
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