【令和7年度版】今、活用したい注目の助成金3選を社労士が解説!
はじめに|令和7年度の注目助成金、その目的と背景
令和7年度も、中小企業・小規模事業者を支援するさまざまな助成金制度が実施されています。今年度の特徴は、「人材確保」「生産性の向上」「働き方改革」といった、持続可能な経営基盤の構築に向けたテーマがより明確になっている点にあります。
特に以下の3つの助成金は、今後の経営環境を見据えた戦略的な人事・労務施策に直結する内容となっており、注目度が高まっています。
人材確保等支援助成金(外国人労働者雇用管理コース)
外国人労働者を適切に受け入れ、定着させるための雇用環境整備を支援する制度です。
業務改善助成金
生産性向上のための設備投資等を行い、結果として従業員の賃金引き上げにつなげる企業に対して支給されます。
働き方改革推進支援助成金
労働時間の削減や多様な働き方の導入など、働き方改革に取り組む中小企業への支援制度です。
これらの助成金は、単なる資金援助にとどまらず、企業の成長や人材定着につながる仕組みをつくることを目的としています。制度を正しく理解し、戦略的に活用することが、企業競争力の強化に直結する時代です。
次章からは、それぞれの助成金の内容や活用方法について、詳しく解説していきます。
【外国人雇用を後押し】人材確保等支援助成金<外国人労働者就労環境整備助成コース>
少子高齢化による労働力不足が深刻化する中で、外国人労働者の活用は多くの企業にとって重要なテーマとなっています。本助成金では、外国人労働者の円滑な受け入れ・職場定着のための体制整備に取り組む中小企業等を支援します。
【最大80万円】注目の助成金の詳細とは?
この助成金は外国人の採用・定着のために就業規則の多言語化や一時帰国のための休暇制度の整備、社内マニュアルの多言語化等をすることによって最大80万円を受給することができます。
【最低賃金引き上げへの備えに】業務改善助成金
最低賃金の引き上げが全国的に進む中で、賃上げに前向きに取り組む企業を支援するのが「業務改善助成金」です。生産性向上のための投資を行い、従業員の賃金引き上げを図ることで、経営基盤の安定化を後押しします。
【最大600万円】注目の助成金の詳細とは?
中小企業が生産性向上のために設備投資を行い、最低賃金の引き上げを行うことを支援する助成金で「最低賃金を一定額以上引き上げ、生産性向上につながる設備投資(機械導入・システム導入など)を行う」と設備投資費用の一部が助成されます。(引き上げ幅や事業規模により異なる)
【働き方改革の推進に】働き方改革推進支援助成金
長時間労働の是正や、多様で柔軟な働き方の導入に取り組む企業に対して、具体的な設備投資や制度導入費用を支援する制度です。
働き方改革推進支援助成金の詳細とは?
長時間労働の是正や多様な働き方の導入を支援するための助成金で、その中でもいくつか種類があり、主に「残業削減や年休取得の促進・テレワーク制度の導入への取り組み」に対して取り組み内容や企業規模に応じて助成されます。
助成金申請を成功に導くために
助成金の申請には、対象要件の確認や計画書の作成、実施後の報告など、多くの手続きが伴います。要件を満たしていても、「書類の不備」や「手続きの遅れ」により支給されないケースも少なくありません。
社労士は、申請のスケジューリングや必要書類の整備、計画立案の支援など、申請業務全体をサポートできます。早めの相談が成功のカギとなります。
まとめ|広島で社労士をお探しの方へ
助成金は、資金的な支援だけでなく、企業の体制づくりや人材戦略の見直しを促す「経営ツール」としての側面があります。制度を正しく理解し、自社に合ったものを選ぶことで、無理なく、しかし着実に成長へとつなげることが可能です。
令和7年度も、活用価値の高い助成金がそろっています。気になる制度がある方は、ぜひ一度、専門家である社労士にご相談ください。
社労士の「顧問契約」とは?~企業を支える専門サービスのご紹介~
企業の経営を取り巻く環境は日々変化しています。労働法の改正や働き方の多様化に伴い、「人」に関する課題は複雑さを増しています。そんな中、労務の専門家として企業を支えるのが社会保険労務士(社労士)です。
今回は、社労士と結ぶ「顧問契約」とはどのようなサービスなのか、そして当事務所が得意とする業種やサービス内容についてご紹介します。
顧問契約で受けられる主なサービス
社労士の顧問契約は、企業の「人事・労務」に関する幅広い業務を継続的に支援する契約です。具体的には以下のようなサービスを提供しています。労務相談
就業規則の作成・改訂、労働時間管理、ハラスメント対応、休職・復職の対応など、日々の労務管理に関するご相談に対応します。
専門的な視点から適切なアドバイスを行い、トラブルの未然防止と円滑な人事運営をサポートします。各種手続きの代行
労働保険・社会保険の加入・喪失手続き、産休・育休の給付申請、年度更新や算定基礎届など、煩雑な手続きを正確かつ迅速に代行します。
電子申請にも対応しており、手続きの効率化を図ることができます。給与計算
毎月の給与計算業務もご依頼いただけます。
社会保険料や所得税の控除計算、勤怠データとの連携など、正確性が求められる業務を代行し、企業の事務負担を軽減します。
当事務所が得意なサービス・業種
運送業
当事務所は運送業のお客様を多くサポートさせていただいた実績がございます。
特に業種に特化したオーダーメイドの就業規則の作成や、荷主様との交渉資料など、運送業ならではのサポートをさせていただいております。
実際の運送業に関する事例を下記にあげさせていただきますのでぜひご覧ください!
建設業
当事務所は建設業のお客様も多くサポートさせていただいております。
未払い残業代や勤怠管理の曖昧さが問題となっている業界ですので、勤怠管理から給与計算までサポートさせていただいております。
また、業種がら労基対応や労災の対応が多くあると思いますので、そちらについても対応しております。
実際の建設業に関する事例を下記にあげさせていただきますので、ぜひご覧ください!
介護業
当事務所は介護業のお客様も多くサポートさせていただいております。
有給取得や制度に関する説明会やセミナーなどを直接従業員様へ実施させていただいております。また、労災に関する問題も多く発生する業種であることから労災対応に関しても請け負っております。
実際の介護業に関する事例を下記にあげさせていただきますので、ぜひご覧ください!
よくある質問
Q.相談・手続き・給与のどれかだけでも頼むことは可能ですか?
A.はい。当事務所では、上記の内どれか一つでもご依頼していただけます。
是非お気軽にご相談ください。
Q.いつから依頼することができますか?
A.相談についてはチャットですぐにご相談いただけます。
手続きについては当事務所からいただきたい情報をお送りいたしますので、お送りいただけましたらすぐに開始させていただきます。給与計算について設定やテストの必要があるため通常開始まで2か月ほどお時間をいただいております。しかし、事情によっては短期間で始めることも可能ですので、まずはご相談ください。
Q.研修などはやっていただけますか?
A.当事務所では様々な研修サービスを取り扱っております。
詳しくは下記のページをご覧ください。
ただの事務じゃない!給与計算の重要性を社労士が解説!
給与計算は“従業員との信頼”と“企業の信用”を支える業務
中小企業にとって、給与計算は単なる事務作業ではありません。
給与は従業員にとって最も重要な報酬であり、正確かつ適切に支払われることが信頼関係の土台になります。
わずかな給与計算ミスが、従業員のモチベーションを下げたり、離職につながることも。
「うちは人が少ないから大丈夫」と思っていても、属人化や確認不足によるトラブルは、どの企業でも起こり得ます。
頻繁な法改正で複雑化する給与計算業務
近年、労働法や社会保険制度の改正が頻繁に行われています。
社会保険の適用拡大
年収の壁問題
育児・介護休業制度の改正
割増賃金率の引き上げ
これらはすべて給与計算に直結する内容です。
法改正を見逃してしまうと、未払い賃金や社会保険料の誤徴収につながり、行政対応や従業員対応に追われることになります。
給与計算ミスが招く3つの大きなリスク
未払い残業代・遡及請求
残業時間の集計や割増賃金率の計算ミスは、過去に遡って請求されることがあります。労基署や税務署からの指摘・是正勧告
給与計算の誤りが労働基準監督署や税務調査で発覚すると、是正勧告や追徴課税など企業側に大きな負担が発生します。従業員との信頼関係の崩壊
「給与が間違っていた」「年末調整が適当だった」――そんなことが続けば、従業員の不満が蓄積し、離職や口コミなどで企業の評判にも影響します。
【実例】給与計算トラブル事例
未払い賃金があり、弁護士から書類が来た
未払い賃金があると、裁判になり過去にさかのぼって賃金や残業代を請求されます。採用するために基本給を上げたが、既存の社員とのバランスが取れなくなった
こうなってしまうと既存の社員からの信頼をなくし、不満がたまるため離職や退職が増えます。
当事務所では、賃金テーブルの見直しから給与計算までサポートいたします。
給与計算を社労士に依頼する5つのメリット
給与計算は専門家である社労士にアウトソーシングすることができます。
アウトソーシングるることで下記のようなメリットがあります。法改正への即時対応
当事務所は、法改正の情報に常にアンテナを張っています。
最新の法律に基づいた正確な給与計算が可能です。リスクの低減
専門家によるチェック体制で、給与計算ミスや法令違反のリスクを大幅に軽減できます。業務の属人化を防ぐ
担当者の退職・長期休暇によるリスクがなくなり、安定した業務運用が実現します。社会保険手続き・労務相談との一元化
給与と連動する労働保険・社会保険の手続きもワンストップで対応可能です。コア業務に専念できる
煩雑な給与計算をアウトソーシングすることで、経営資源を営業や企画などの本業に集中できます。
給与計算のご相談は、社労士にお任せください
給与計算のミスは、小さな会社でも致命的な問題を引き起こす可能性があります。
だからこそ、専門家に任せることで安心・正確な運用が実現できます。
ぜひ広島の女性社労士である、社会保険労務士法人JOYにご相談ください!
健康経営優良法人認定制度取得サポート
健康経営優良法人認定制度とは?
健康経営優良法人認定制度とは、企業が従業員の健康管理を経営的な視点で戦略的に取り組み、健康増進に貢献することを目的とした認定制度です。経済産業省と日本健康会議が共同で運営しており、健康経営に関する具体的な取り組みを評価し、基準を満たした企業を健康経営優良法人として認定します。これにより、社会全体に健康経営の重要性を広め、企業のブランド価値向上や働き方改革の推進にも寄与します。
健康経営認定の種類
健康経営銘柄
「健康経営銘柄」は、東京証券取引所に上場している企業の中から、特に優れた健康経営の取り組みを行っている企業を選定する制度です。経済産業省と東京証券取引所が共同で運営しており、投資家に対して健康経営に積極的に取り組む企業の魅力を発信することを目的としています。選定基準には、健康経営に関する明確な方針の策定、従業員の健康データの分析と活用、健康増進のための施策の実施などが含まれます。健康経営優良法人・大規模法人部門
「健康経営優良法人・大規模法人部門」は、大企業を対象とした認定制度です。認定を受けるためには、健康診断の受診率向上、メンタルヘルス対策、職場の健康環境整備などの取り組みが求められます。認定を受けることで、企業のブランド価値向上や、優秀な人材の確保といったメリットがあります。健康経営優良法人・中小規模法人部門
「健康経営優良法人・中小規模法人部門」は、中小企業を対象とした認定制度です。中小企業においても、従業員の健康管理を積極的に行うことが求められており、具体的には、健康診断の受診促進、ストレスチェックの実施、健康意識向上のための研修などが評価対象となります。認定を受けることで、採用活動の強化や取引先からの信頼向上につながるとされています。
申請要件について
健康経営優良法人の認定を受けるためには、以下のような5つの大きな要件を満たす必要があります。
1経営理念・方針の明確化:健康宣言を社内外へ発信し、経営者自身も健診を受診すること
2組織体制:健康づくり担当者を設置し、求めに応じて40歳以上の従業員の健診データを提供すること
3制度・施策実行:受動喫煙対策に関する取り組み等規定以上の項目の達成
※取得する認証によって達成が必要な項目数は変わります。
4評価改善:健康経営の取り組みに関する評価・改善をすること
5法令順守・リスクマネジメント:定期健診を実施しており、50人以上の事業場においてはストレスチェックを実施していること、労働基準法または労働安全衛生法に係る違反により送検されていないこと
上記のような要件を達成することで、認証を得ることが可能になっています。
認定取得のメリット
健康経営優良法人認定の取得には下記のように様々なメリットがございます。
①企業イメージの向上: 健康経営に取り組む姿勢が評価され、社会的信頼が高まります。
②人材採用・定着の強化: 働きやすい職場環境として、優秀な人材の確保と定着に寄与します。
③生産性の向上: 従業員の健康増進により、業務効率が上がり、業績向上が期待できます。
④金融機関からの評価向上: 健康経営に積極的な企業として、融資や取引面での優遇を受ける可能性があります。
上記のように認定取得には様々なメリットがございます。
イメージアップをしたい・人材の確保や定着を図りたいという方はぜひ認定の取得をご検討ください!
申請サポート
当事務所では、企業が健康経営優良法人(中小規模法人部門)の認証を得るためのサポートをしております。社労士だからできるサポートの内容
丁寧なヒアリング
当事務所では、健康宣言や現状評価に際し、入念なヒアリングを実施しております。
認証を取得できるよう丁寧に現状の把握と宣言をすることで、今後の取り組みの方針を明確にいたします。両立支援等助成金
健康経営認証のための取り組みに際し、両立支援等助成金を申請できる場合がございます。
その際は唯一助成金の申請代行ができる社労士としてサポートいたします。
健康経営優良法人取得をお考えの方はぜひご相談ください!
「配属ガチャ」はもうやめよう——偶然に左右されない働き方のはじめ方
春、新社会人として働き始める若者たち。
希望と不安を胸に、彼らは初めての「配属先」の発表を待ちます。
しかしその結果が、自分の希望とはまったく違うものだったら——。
SNSではそんな状況を「配属ガチャ」と呼び、当たり外れを嘆く声があふれています。
この“ガチャ"という言葉には、「どこに配属されるかは運まかせ」という皮肉が込められています。
でも、本当にそれでいいのでしょうか?
なぜ「配属ガチャ」は起こるのか?
この問題の背景には、企業と新入社員のあいだにある“すれ違い"があります。
まず、新社会人にはまだ働いた経験がありません。
自分がどんな仕事に向いているのか、はっきり分かっていない人がほとんどです。
希望を出すときも、インターンやネットの情報を参考にしているだけで、「本当に自分に合う仕事なのか」は、やってみなければ分かりません。
一方で、企業側も「誰にどの仕事を任せるか」をしっかり考えているとは言えません。
特に日本の企業は「メンバーシップ型」と呼ばれる採用スタイルが多く、「まず人を採って、あとで部署を決める」という流れが一般的です。
その結果、新入社員が希望しない部署に配属されるケースも少なくありません。
また、日本では「ジョブローテーション(部署をいろいろ経験させる制度)」が根強く残っており、人材の空きが出た部署に新入社員を入れるような配置もあります。
こうした人事の仕組みが、“ガチャ"のような配属を生んでいるのです。
海外ではどうしているのか?
たとえばアメリカや中国では、20代前半の転職は当たり前。
若いうちにいろんな仕事を経験し、自分に合う職種を探す「試行錯誤」が前提となっています。
大学生の間に長期インターンをして、自分に合う仕事を見つけてから就職する文化も根づいています。
一方、日本の就職活動は短期間で一発勝負。職種別に採用する企業はまだ少なく、配属後に「思っていた仕事と違った」というギャップを感じやすい 構造になっています。
「はずれ」でも学べることがある
とはいえ、すべてを「運まかせ」と考えるのももったいない話です。
スタンフォード大学のクランボルツ教授は「キャリアの8割は偶然で決まる」と話しています。
最初は興味のなかった仕事が、やってみたら得意だった。
配属先の上司や先輩が、自分にとって人生の転機になった——そんな例は少なくありません。
偶然"をただの運ではなく、「チャンス」として活かす力。
それこそが、これからの時代に必要な考え方なのかもしれません。
企業にも変化が求められる
もちろん、個人の心がけだけでは解決できない部分もあります。
企業も、「どんな人に、どんな仕事が向いているか」をもっと丁寧に見極める必要があります。
最近では、社員の希望を聞いて異動できる「社内公募制度」や、副業・兼業を認める会社も増えてきました。
こうした仕組みが整えば、配属のミスマッチも減っていくはずです。
「配属ガチャ」から「キャリア対話」へ
配属ガチャは、ただの不満ではありません。
それは、働く人と会社の間にある“ズレ"を示すサインです。
これからの時代は、「運」に任せるのではなく、「話し合い」でキャリアをつくっていくことが大切です。
本人の気持ちと会社の制度がきちんとかみ合えば、「はずれ配属」なんて言葉は、過去のものになるかもしれません。