障害者福祉施設での36協定違反是正と労働時間管理強化の事例
現状の労務の課題
障害者福祉施設において、従業員が10名以下の小規模な状況で、労働基準監督署の監査が入り、36協定違反について是正勧告を受けました。
この施設ではシフト編成が非常に難しく、適切な再発防止策を見つけることができず、社労士に相談することとなりました。
社労士事務所からの提案内容
当事務所は、まず施設の運営状況をヒアリングし、労基署への対応策として以下を提案しました。
従業員教育の強化:従業員全員に36協定や労働基準法の基礎知識を提供する社内研修を実施し、正しい時間管理の徹底を図りました。
監督体制の整備:管理者が定期的に労働時間を確認し、問題があれば迅速に対応できる体制を構築。これにより、内部監査体制を強化しました。
36協定の再締結:実際の労働時間を反映させた新しい36協定を再締結し、シフト作成時から違反を防ぐ計画を徹底しました。
出勤管理表の活用:出勤管理表を活用し、リアルタイムで労働時間を把握し、適正管理を行うことで法令違反を防止しました。
解決後の結果
労基署に再締結した36協定や勤務時間管理表を提出することで、是正勧告に対応しました。
さらに、従業員が労働時間に関する正しい知識を習得したことで、無理のないシフト編成が可能になり、施設運営の安定化が図られました。
また、新たな人員の採用にも成功しました。
本件のポイント
従業員が時間外労働に関する正しい知識を習得し、管理者がその運用を正しく理解したこと。
安全で安心な職場環境を構築する取り組みが、従業員採用時の強みとなり、経営者がその重要性を実感したこと。
この事例は、小規模施設での労務管理の難しさを解決し、より健全な労働環境を整えるための具体的な取り組みの紹介です。
執筆者情報
社会保険労務士法人 JOY
代表
松村真奈美
保有資格社会保険労務士
専門分野人に関する様々な悩みの解決
経歴静岡県出身。大学卒業後、専門商社や大手ウェルネス関連メーカーで勤務し、出産退職。 平成17年に社労士試験に合格。広島で大手通信企業に勤務し、新人研修、スタッフ労務管理、 採用業務などを経た後、営業部門へ異動。自社ソフト販売コンテストで全国1位を獲得。 法人営業を通じて経営者やスタッフの悩みに寄り添い、独立を決意。令和元年7月1日に まつむら社会保険労務士事務所を開設。人事や営業の経験を活かし、多くの人が活躍できる フィールドを創り、企業の成長を支えるために毎日奔走中。
一言超えられない課題は与えられない。必ず乗り越えられるからこそ課題はやってくるのだと
私は信じています。もしよろしければ、課題を超えたその先の景色を私と一緒に見てみませんか?