【小規模建設現場での窃盗問題】法的対応と丁寧な指導で円満な解決へ
現状の労務の課題
従業員数6名の小規模な建設会社で、事務員が窃盗事件を起こし、逮捕されました。事務員は建設業務の事務をはじめ、総務や電話対応などを担当していましたが、防犯カメラには仕事を怠ける姿や勤務時間を守らない様子が映っており、社内での規律が乱れていました。さらに、社長の机からお金がなくなり、警察沙汰に発展したものの、当初は犯人を特定できず、会社はこの従業員をどのように扱うべきか悩んでいました。
社労士事務所からのご提案内容
窃盗の確定には至っていなかったため、まずは服務規律の徹底から始めました。防犯カメラに映っていた勤務態度の悪さに対して指導を行い、勤務時間の厳守や社会人としてのけじめを求め、従業員に誓約書を書かせました。この際、服務規律や法的な問題行動について文書化し、社長から本人に直接指導を行い、一筆サインをもらうことで、今後の対策を明確にしました。
解決後の結果
一時的には勤務態度が改善し、退勤時の連絡などが徹底されるようになりましたが、悪い習慣は完全には改善されませんでした。その後、警察の調べで窃盗が確定しました。会社としては、逮捕が直接の理由で解雇するわけにはいきませんでしたが、これまでの複数の誓約書を根拠に、退職勧奨を行い、最終的に本人もこれに応じて退職する形となりました。
本件のポイント
段階的な指導と文書化
逮捕だけを理由に解雇するのではなく、まずは軽微な問題に対して段階的に指導を行い、誓約書や業務改善指導書を取得していくことで、法的リスクを最小限に抑えました。
丁寧な説明と本人の納得を重視
指導や反省文を通じて、本人に対して具体的な改善を促し、その上で退職勧奨に至るまでのプロセスを丁寧に進めました。これにより、従業員自身が退職を納得する形で受け入れることができました。
執筆者情報
社会保険労務士法人 JOY
代表
松村真奈美
保有資格社会保険労務士
専門分野人に関する様々な悩みの解決
経歴静岡県出身。大学卒業後、専門商社や大手ウェルネス関連メーカーで勤務し、出産退職。 平成17年に社労士試験に合格。広島で大手通信企業に勤務し、新人研修、スタッフ労務管理、 採用業務などを経た後、営業部門へ異動。自社ソフト販売コンテストで全国1位を獲得。 法人営業を通じて経営者やスタッフの悩みに寄り添い、独立を決意。令和元年7月1日に まつむら社会保険労務士事務所を開設。人事や営業の経験を活かし、多くの人が活躍できる フィールドを創り、企業の成長を支えるために毎日奔走中。
一言超えられない課題は与えられない。必ず乗り越えられるからこそ課題はやってくるのだと
私は信じています。もしよろしければ、課題を超えたその先の景色を私と一緒に見てみませんか?