介護現場での労災事故を未然に防ぐ!労災対策と意識向上の事例
現状の労務の課題
ある介護施設(従業員数60名)では、労災事故が頻発していました。通勤時の自転車事故や利用者の介護中に腰を痛める、歩行介助中に転倒するなどの事故が続発しており、職場の安全性に大きな課題がありました。これにより、職員の健康被害や業務効率の低下が懸念されていました。
社労士事務所からの提案内容
社労士事務所は、事故の減少を目指し、以下の対策を提案しました。
介護技術の評価と改善
正しい介護技術の習得を重視し、職員が適切な介護方法を学べる機会の提供。これにより、利用者の体重のかかり方や介助時の姿勢が適切に保たれるようになり、事故のリスクを軽減することを目的としています。
通勤時の安全対策
通勤に関しては、時間に余裕を持った出勤を促進し、特に狭い道を通る際には注意を払うことを推奨しました。不調時には無理をしないことも強調されました。
オンとオフの徹底
疲労が事故を引き起こす一因であることから、職員がしっかりと休息を取ることを推奨しました。これにより、業務中の集中力が維持され、事故の発生を防ぐことが期待されました。
衛生委員会の発足
職場内に衛生委員会を設置し、安全に関する確認や話し合い、指導、情報共有の場を定期的に設け、職員間での安全意識を高めることを目的としています。
解決後の結果
対策を実施してから約3か月後、労災事故の報告は驚くほど減少しました。それまで頻繁に送られていた労災連絡票がほとんど来なくなり、職場の安全性が向上したことが確認されました。衛生委員会が定期的に活動を続けていることも、事故減少の一因として評価されています。
本件のポイント
・労災事故が多発していたタイミングで、タイムリーに職員全体へ向けた安全講義を行ったこと。
・介護技術の改善や通勤時の注意喚起、疲労対策など、多角的なアプローチで事故を防ぐ対策を講じたこと。
・衛生委員会の発足により、職場全体で安全意識を共有し、事故防止に取り組んだこと。
執筆者情報
社会保険労務士法人 JOY
代表
松村真奈美
保有資格社会保険労務士
専門分野人に関する様々な悩みの解決
経歴静岡県出身。大学卒業後、専門商社や大手ウェルネス関連メーカーで勤務し、出産退職。 平成17年に社労士試験に合格。広島で大手通信企業に勤務し、新人研修、スタッフ労務管理、 採用業務などを経た後、営業部門へ異動。自社ソフト販売コンテストで全国1位を獲得。 法人営業を通じて経営者やスタッフの悩みに寄り添い、独立を決意。令和元年7月1日に まつむら社会保険労務士事務所を開設。人事や営業の経験を活かし、多くの人が活躍できる フィールドを創り、企業の成長を支えるために毎日奔走中。
一言超えられない課題は与えられない。必ず乗り越えられるからこそ課題はやってくるのだと
私は信じています。もしよろしければ、課題を超えたその先の景色を私と一緒に見てみませんか?